ari23の研究ノート

メーカ勤務エンジニアの技術ブログです

『3000億円の事業を生み出す「ビジネスプロデュース」戦略』を読んだ感想

『3000億円の事業を生み出す「ビジネスプロデュース」戦略 なぜ、御社の新規事業は大きくならないのか?』を読んで、すごく共感できたのでオススメします!🐜

『3000億円の事業を生み出す「ビジネスプロデュース」戦略 なぜ、御社の新規事業は大きくならないのか?』
『3000億円の事業を生み出す「ビジネスプロデュース」戦略 なぜ、御社の新規事業は大きくならないのか?』

買ってからハードカバーであることに気づきましたw

本との出会い

あるときツイッターのTLで、こんなツイートが流れてきました。

この図を見て、「あ!自分が会社で感じてたこと、そのまんまだ!」と思って、すぐにAmazonで注文しました。

Kindle Unlimitedだと0円で読めるみたいですね。

感想

私のサラリーマンとしての業務の大半は、新規事業の核となる技術開発です。現在(2020年9月)も、3~5年後の事業開始を目指して、社会的課題の解決やそのニーズにあう技術を探索or開発しています。

これまでにいくつかのPjに参加してきましたが、そのすべてでうまく行かず、未だに事業化に至ってません。

その理由の1つとして、自分を含めた人材不足だと思っていましたが、本書でもそれを指摘しています。

また、私の経験上ですが、新規事業でどうしてもつまづくのは、技術うんぬんよりも、情報収集社内外の調整だと思っています。1

人材不足

本書では、バブル崩壊以降、日本のしかも大企業で新規事業が生まれていない理由の1つとして、イノベーター気質の人材を育成できなかった点を挙げています。

詳細は本書をぜひ読んでいただくことして、これは私が一番感じていたことでした。

後述の社内調整、ひいては社内政治をどんなに頑張っても、役員級の方々はとにかく決断してくれないのです。
コンサルも使ってこれ以上ないくらいの情報収集をして、社外のパートナーに合意を頂いて、もう実行か中止かの判断をするだけの段階になっても、

「まだ調査が足りていない」
「本当に利益が出るのか」
「そもそもこれはうちの会社でやるべき事業なのか」

など、提案するこちら側のやる気をガンガン削いでくる言葉を投げつけ、保留につぐ保留でした。

結局、役員の方々は決断する基準がわからなかったんですよね。本書を読んで、彼らがどう感じていたのかが、ちょっとだけ理解できました。2

情報収集

「今どきインターネットがあるから、情報収集なんて簡単!」って思っている方もいらっしゃいますが、そんな情報をもとに新規事業を進めようとしても、必ずうまくいきません。そういった情報は、どうしても上澄みの薄っぺらいものでしかなく、真のニーズを掘り起こすことができません。現場に行って、「生の情報」を掴んで来ることが必須です。

よく、「見たり聞いたりして知ってはいたけど、実際に行ってみると印象は全然違った」なんてことは、たくさんありますよね。それとまったく同じことです。話を聞く側も、そういった内容のほうが知りたいし、もっと聞きたいって興味がすごく湧いてきます。

ストーリー仕立ての第4章では、それが具体的に書かれています。さらに最終章では、実際に現場に行くことを重要視して、「研究費よりも旅費に予算をつけるべき」と説いています。

社内外の調整の重要性

新規事業の探索フェーズでは当然売上はゼロで、もし実行フェーズに移れても数年は赤字確定です。それを社内外のステークホルダーがしっかり理解してるかどうかが、とても大切です。

本書では、「定性的なKPIで構わないから、それを関係者全員できちんと共有することが重要」と書かれています。

そもそもすぐに黒字化は、どんなにジャイアントな企業でも不可能3で、たしかに定量的なKPIを設けること自体が不毛だと、すごく納得しました。

おわりに

仕事をしていて、「うちの会社ってコンサルタントから見て、どう映って見えるんだろう」とよく思っていましたが、その回答がしっかり論理的に書かれていていました。

本書では、企画部に所属している人を読者としてターゲットとしているようですが、私のような新規事業のネタになる技術開発をしている人でも、かなり価値ある本だと思います。

あと、新規事業開発を企む経営層にはよく読んでほしいです。数千億円の大きな事業にしたいなら、大きな絵を描く必要があって、それを一般社員同士で相談しても妄想で終わってしまいます。それを実現させるには、企業のトップ層同士の意思決定と、本心から出るやる気が必須です。

以上、参考になれば幸いです(^^)


  1. 単品で売れるスゲー技術作ってこいや!と言われてしまいそうですね…

  2. それと同時にひどく残念に感じました。やれ!やれ!と威勢よく発破かけてましたが、あれは単なるポーズだったんだなと。

  3. 今をときめくGAFAだって、途中で辞めた事業なりサービスなり、たくさんありますもんね。