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『社内政治力』レビュー

『社内政治力』レビュー

何度も読み直している本の1つ『上司も部下も思い通りに動かす社内政治力』をレビューします🐜

『社内政治力』
『社内政治力』

総評

他のレビューや口コミにもある通り、本書では中堅どころのビジネスマンが、いわゆる社内政治をどう進めていけばいいのか、その手段や使い方を解説しています。

私自身の会社員生活を振り返ると、社内の情報がやたらと集まる人は何人かいて、その人が会社を牛耳っているかのようにも見えました。本書を読むと、そういった人が一体何をやっていたのか、少しわかる気がします。

副題の「敵を消し、仕事の自由度を上げるダーク・マネジメント」を見ると、とても悪い印象を受けるかもしれません。実際はそんなことはなく、ある種のマネジメントを体系化したものです。

ただし、本書でも言及している通り、こればかりやってしまうと、仕事の自由度を上げるどころか、「あの人はイヤなやつ」と社内で悪い噂がたち窓際に追いやられることも十分あり得ると思います。したがって、会社にとって良いことに使う、つまり平和利用が必須です。その使い所が全編で語られています。

5つのダーク・マネジメント

社内政治を進める5つの手段「ダーク・マネジメント」は、プロローグにて語られています。

  1. 同盟作戦:多数派工作
    複数のキーパーソンと口裏を合わせ、対立関係のある相手から要求された仕事を簡単に協力しないことで、相手の思惑通りに事を進めさせないこと。

  2. 諜報作戦:情報を使っての誘導
    対立関係のある相手にとってネガティブな情報を、社内もしくは意思決定権を持つ上級職に流し、相手の発言力を下げる。

  3. 囲み攻め:会議において数で押す
    できるだけたくさんのキーパーソンもしくは部門を味方にした状態で、対立関係のある相手との会議を設定して意図的に一対多の状況を作り、数の暴力で自分側の意見を通す。

  4. 兵糧攻め:相手のリソース供給停止
    人事部門や経理部門と協力し、対立関係のある相手へのリソース(ヒトやカネ)供給を停止させて、相手の行動を制限する。もしくは、情報というリソースを提供しない。

  5. 水攻め:権力者から高い圧力を加える
    対立関係のある相手よりも上の立場にある上級職に依頼して、相手に命令してもらう。最も効果抜群だが、多用すると忌み嫌われるので、最終手段とすべき。

これらのダーク・マネジメントを実施するためには、多くの協力者が必要です。そのため、本書では常日頃から「他者や他部門に対して恩を売ること」を勧めています。

私なりの使い方

私が普段から使うものは、1.同盟作戦と3.囲み攻めです。仕事は1人ではできないので、必ず複数の関係者・関係部門と一緒にやります。全体として仕事が上手く進まないときは、往々にして誰かが足を引っ張ってしまうものです。もちろん、チームでやっているので、足を引っ張ること自体に罪はありません。

ただし、その原因が例えば「合意したはずの業務を理由なく実行しない」とか「到底理解できないロジックを展開する」など、あるべき姿からかけ離れたものである場合は、たいてい他の人間も自分と同じ気持ちでいるので、味方にしやすいです。

そういったときは味方になって欲しい人に自分から積極的に声をかけて、同盟作戦&囲み攻めを実行します。

ここで大事なのは、

味方になって欲しい人に自分から積極的に声をかけて

です。味方になって欲しい人が多いと、その数だけ個別に話をしに行かないといけないので、すごく面倒くさいです。非効率と感じるかもしれません。しかし、ここを頑張れば今直面している課題を解決するだけでなく、味方になってくれた人・部門から「〇〇さんは信頼できる人」と評価され(ると思いますし)、別案件でも自分に協力してくれるようになります。

総合的に見てメリットしかないので、労を惜しまず声をかけて話をすることが大切だ、と私は考えてます。

2.諜報作戦は、愚痴以外は使ったことがないです^^;

4.兵糧攻めは、協力するとなぜか結果的に自分に損をするときは、申し訳ないですが手を貸しません。また、都合の悪い情報を意図的に共有しないくらいのことはよくやってますw

5.水攻めは、「助言しても言うことを聞かない相手を諦めて放置し、上級職に怒られて改心することを期待する」くらいはあります。

おすすめしたい人

私は、新規事業開発に携わっている人におすすめしたいです。新規事業開発に関わる人間ならわかると思いますが、どんなに良いものでも、社長指示の案件だとしても、「新規」という言葉だけを見て批判する勢力が必ずいます。必ずです。

そういった反対勢力は、正攻法で臨んでもあの手この手で批判してきます。

そこでダーク・マネジメントの出番です。ダーク・マネジメントを汚い手段と称して一切実行しない人がいますが、私はそれは誤りだと思います。本書でも言及がある通り、平和利用であるならば実行すべきです。それは自分自身のためだけでなく、会社の成長に貢献するのであれば、ある意味反対勢力をも救うことに繋がります。

おわりに

本書にあるダーク・マネジメントを触りだけまとめました。

はっきり言って、これだけわかっても使い方がわからないので情報不足です。

気になった方は、ぜひ手にとって買って読んでみてください。

参考になれば幸いです(^^)